コーヒーブレーク時になるとラウンジはブロークンイングリッシュが爆発的に溢れる。PLIは校内での母国語は禁止している。メキシコ、アルゼンチン、スペイン、スイス、ドイツ、中国、台湾、韓国。私の加わったクラスはこんな国籍の若者で構成されていた。 ミレニアム前年の七月から、私は六〇才定年を契機にバンクーバー市内にアパートを借りてPILに入学した。語学力も会話力もまったく自信のない私が若者たちに取り囲まれて英語を学ぶ。いささか滑稽な雰囲気だった。学生時代に身につけた英語の「教養」が邪魔をしてラウンジの会話にうまく溶け込めなかった。それでもいつか彼や彼女たちと親しくなり、レストランや飲み屋に行き、ブロークンな会話で楽しめるようになった。 僅か三ヶ月のバンクーバー生活だったが、異文化との出会い、美しい公園のような街の散策、何よりも多国籍の若者たちとの出会いは、今も夢に見る、素晴らしい体験だった。 |
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森川 雅弘さん 36年間の教職。 元大阪市小学校職員。 |
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